どこまでが事実で、どこからフィクション?
トム・ヒューズ出演の「ジョーンの秘密
実在したスパイというか女性の情報提供者のストーリーにインスパイアされて書かれた小説を映画化したもの。
映画では主人公のジョーンはケンブリッジで物理学を学び、原子力研究所に秘書として入所し、1940年代に原爆の機密情報をソビエトに流したという設定。

トム・ヒューズも気になりましたがそれ以上に同じ物理を学んだ身として、ジョーンがどんな理由で、どんな情報で流したのかの方に興味が。
とにかく聴きやすい英語、現代と過去が入れ替わわるけれど、理解しやすい。
名目秘書、実際は準研究員として開発に関与した原爆で何万忍もの市民が亡くなるのを見て、知識の共有が力のバランスになり、核の抑止力になると、情報を流すことを決意。
伏線として「アナザーカントリー」や「裏切りのサーカス」を観ていると理解しやすい、30年代のパブリックスクール、ケンブリッジ大学の状況や50~60年代の諜報活動と繋がってきます。
観終わって、どこまでが事実で、どこからがフィクションかが気になりました。
確かにメリタ・ノーウッドという女性情報提供者はいて、
イギリスの原子爆弾計画「チューブ・アロイズ」に関する情報は流した(ジョーンは開発の現場にいたことになっていた)。
彼女は物理専攻ではなく、英国非鉄金属研究協会長(計画の諮問委員会メンバー)の秘書として長年勤務し、そこで知りえた情報をリーク。
ケンブリッジファイブとの関係も直接はない模様。
オーストラリアに亡命(?)したジョーンの人生とはかなり異なる。
ということで、小説、映画はイギリスで最も意外なスパイとして言われた諜報員にインスパイアされて想像を大きく膨らませたもの。
女性の地位が低く、女性がスパイなど出来るはずがない、原爆の理論など分かるはずがないと思われていた時代だから逆説的に可能だったのかも。
ところで映画の最後の部分の記者会見で、「同じ知識を共有することを願って・・・」(I wanted everyone to share the same knowledge...)で、「information」ではなく「knowledge」としたところが、彼女の動機に一端ではないかと思わせられました。
原作本「Red Joan
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