読了 路
放映の第1回目には間に合いませんでしたが、「路
日本の新幹線を台湾で走らせる、建設に携わった商社員の春香を中心に日本の技術者、台湾の関係者、それに聞いたことがかすかに記憶にある湾生の老人などの完成までの人生が交差する。
昨秋台湾を訪れましたが、MRTや自強号には乗りましたが、残念ながら台北中心の旅だったので新幹線には乗れませんでした。
そんなこともあって読み出した1冊です。
日本人の生真面目さ、(期限の)約束は守る姿は、長年の仕事の中で「日本の常識、世界の非常識」を嫌というほど経験した私にはお馴染み。
でも、それもおおらかな台湾の人々と生活をし仕事をしていく中で、お互いの仕事の進め方に対する理解を深めて行き、「日本の新幹線を走らせる」だけでなく、「台湾で台湾の人々のために台湾に適した、日本の新幹線を走らせる」に注力しなければいけないと思うようになる。
旅行で感じた台湾の人々の優しさを作品中で何度も思い出し、楽しく読了。

ただ文中に何度も出て来るガジュマルの木、ジリジリと強い太陽の日差しと汗、スコール等が、作品中の人々と気持ちをひとつにして情景を想像しようとする時うっすらとした違和感を感じ、読み終わった後にもずっと気持ちの底に残っていました。
マリアンヌ・フェイスフルの歌うブリティッシュ・フォークの「North Country Maid
Maidには程遠いですが、北海道での子ども時代を思う時、最初に浮かぶのが、雪。
その周りにはスキーをしたり、橇で遊んだり、吹雪で上級生と集団下校したり、戻れば赤々と燃える石炭ストーブを囲み暖を取り、古いセーターを編み直すためにほどくのを手伝わされたりした記憶が。
この歌を聴いていて、子ども時代の思い出って、心に沁みついているんだと、しみじみ感じました。
私には焼けつくような暑さに対する記憶ってないかも。
でもその一方で、湾生の老人の決意が少し分かりかけてきたかも。
住むのはきついけれど、でも心にしっかりと残っています

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